教誨事業

 当会五十五周年の記念事業の一つとして、十月二十三日青森刑務所で大祓式を執り行った。

 他県では刑務所で何らかの祭典を行っているのを耳にしているが、青森県では神道青年会として初めての試みであり、今回の記念事業としてだけで終わるのではなく、あくまでもこれを期に毎年継続して行うことが目的である。事前に刑務所では前例のないことは行わないという話を聞いていた我々は、実現に至るまでクリアしなければいけない事が様々でてくるだろうと心していた。

 山谷教誨師より話を通していただき、刑務所で最初の話し合いを開くことになった。実現に向けて我々の熱意を伝えるべく意気込んでいたが、対応した職員の方が他県で大祓式を経験したことがあるそうで、おそらく大丈夫でしょうとのこと。

 あまりにもすんなり話が通り、緊張していた我々は多少面を食らったがこれで道筋はできた。前日に会長、実行委員長以下奉仕員と担当の教誨事業部員で刑務所祭場にて諸準備と習礼を行い当日を迎えた。



 刑務所内でインフルエンザが発症し、祭員・伶人も祭典中でも言葉を発したり雅楽を演奏したりする時以外はマスク着用という異例の事態となったが、大きな混乱や失敗も無く無事に終えることができた。



 参列者の代表が玉串奉奠する時は言葉に表現しがたい思いがしたし、祭場を出る際に参列者から人形を集めたのだが、大祓詞をほしいと言う者や、納めた自分の人形に手を合わせていた者の姿を見て、少なくとも彼らに何らかの影響があったのではと信じたい。そして我々にとっても祓いの意義について改めて考えさせられるよい機会ともなった。




 兎に角お話を通していただいた山谷教誨師、快くお受けいただいた小林看守長には篤く御礼申し上げます。


                                   青森県神道青年会 副会長 和田一郎

 

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